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大阪人のビジネス気質
NHKのBSで「cooljapan発掘!かっこいいニッポン」という番組がある。内容が面白かったので一部紹介します。来日間もない外国人が、日本に来て驚いたことの良い面や悪い面を容赦なく討論する。日本人が自慢したい物事を否定したり、当たり前だと思っていたことを称賛したりで、「クール」と感じる基準や感性が国によって違うことがわかる。番組で取り上げた中で、これはクールだと思ったものについてアンケートを行ったそうだ。
一位「洗浄器付き便座」、二位「お花見」、三位「百円ショップ」、四位「花火」、五位「食品サンプル」、六位「おにぎり」、七位「カプセルホテル」、八位「盆踊り」、九位「紅葉狩り」、十位「新幹線」、十一位「居酒屋」、十二位「富士登山」、十三位「大阪人の気質」、十四位「スーパー銭湯」、十五位「自動販売機」、十六位「立体駐車場」、十七位「ICカード乗車券」、十八位「ニッカポッカ」、十九位「神前挙式」、二十位「マンガ喫茶」。
十三位に「大阪人の気質」とあるが、外国人からは、「大阪の人は想像していた日本人と違う」という声が多いらしい。内気、恥ずかしがり屋、奥ゆかしい、思った事を口にしない、等々といった典型的な日本人像と合わないというのだ。では、確かめてみよう、ということで大阪でロケをしたそうだ。外国人が、道行く人に突然、葵の印籠を突き付けて「コノインロウガメニハイラヌカ!」とやった。「水戸黄門」のパロディーだが、印籠を突き付けられた大阪人は、九割近くが「ははあ~」と言いながら、ひれ伏す真似をしたそうだ。また、やはり街頭で、突然、バナナを取り出し「ハイ モシモシ チョットマッテクダサイ」と言い、相手に「デンワデス」とバナナを差し出してみた。これまたほとんどの大阪人は、当然のようにバナナを受け取り、「はい、もしもし」と耳に当て、すぐに「なんや、バナナやないかい!」と突っ込んだそうだ。東京でも事前にロケをしたそうだが、そのような反応は皆無だったという。
東京と大阪では人々の気質の違いによく気付かされる。赤信号を平気で渡る歩行者は、大阪の方が目立つ。街やレストランでも、人懐っこく見知らぬ人や店員に話し掛けられる。東京の人は高い買い物を自慢するが、大阪の人は「これなんぼしたと思う?」と安い買い物を自慢する。「オレオレ詐欺」の類にも、大阪の人は騙されにくい。電話を受けた親が「あんた、誰や?」と徹底的に突っ込むからだろう。
鴻上氏の本によると「回転寿司」や「カラオケ」や「インスタントラーメン」は大阪発のアイデアが世界に広まった好例だそうだ。どれもユーモアがある。こういうものを事業化できたのは、他人に笑われることを気にしない、さらには、積極的に笑いを取る文化で育ったからだろう。「アホになれる」人は強い。自分を客観視できるからだ。見栄や世間体を気にせず、失敗談すらネタにして楽しむ。商都大阪を支える気質には学びが多い。